既婚者合コンで、会話は盛り上がったのに二度と会わない人
既婚者合コンに参加していると、妙に不思議な現象に遭遇することがあります。それは、あれだけ会話が盛り上がった相手なのに、その後まったく接点がなくなってしまうという現象です。
席が一緒になった瞬間から話が弾み、共通の趣味が見つかり、笑い声が絶えない。周囲の参加者から見ても「あの二人、ずいぶん盛り上がっているな」と思われるほどで、連絡先の交換まで済ませている。本人としても、今日はなかなか良い出会いがあったと思いながら帰宅するわけです。
ところが、翌日になってLINEを送ってみても、返事は短い。こちらから話題を振れば返ってくるものの、相手から質問が来ることはない。そのまま何となくやり取りが途切れ、次のイベントで会うこともない。場合によっては、次に参加した際に相手の姿を見かけても、軽く挨拶する程度で終わってしまいます。
もちろん、相手にも家庭や仕事があり、日常生活がありますから、一度会った人と必ず親しくならなければいけない理由はありません。しかし、あれだけ楽しそうに話していたのに、なぜこうなるのか。参加した側としては、少々不思議に感じることもあるでしょう。
実は、ここには既婚者合コンに限らず、人間関係全般に通じる面白い心理があります。
その場で会話が盛り上がることと、相手がもう一度会いたいと思うことは、必ずしも同じではないのです。
今回は、既婚者合コンで会話は盛り上がったのに、なぜか二度と会わない人について考えてみたいと思います。
その場が楽しかったからといって、相性が良いとは限らない
まず、最初に考えておきたいのが、会話の盛り上がりにはいくつかの種類があるということです。
例えば、初対面の男女が集まる場では、共通の話題が見つかるだけで一気に会話が弾むことがあります。旅行の話、食べ物の話、仕事の愚痴、子育ての話。お互いに経験したことがある話題なら、特別な工夫をしなくても話が続きます。
「うちもそうなんですよ」
「分かります、うちも同じです」
「それ、うちだけじゃなかったんですね」
このようなやり取りが続けば、自然と笑いも生まれます。話している本人たちも楽しいですし、周囲から見ても相性が良さそうに見えるでしょう。
ただ、よく考えてみると、ここで盛り上がっているのは必ずしも相手自身に対する興味ではありません。共通の経験や話題が面白いのであって、相手の人柄をもっと知りたいと思っているかどうかは、また別の話なのです。
極端な話、同じ話題を別の人と話しても、同じくらい盛り上がった可能性があります。
これは、話が弾んだ相手に魅力がないという意味ではありません。単純に、会話が楽しかったという評価と、この人と今後も関係を続けたいという気持ちは、別々に生まれるものだということです。
既婚者合コンでは、限られた時間の中で複数の人と会話をします。短時間で共通点を見つけ、相手に合わせ、場を楽しむ能力が高い人もいます。そのため、初対面でも驚くほど会話が弾むことがあります。
しかし、その場の会話が終わり、日常に戻ったときに、相手のことをもう一度思い出すかどうか。そこに、単なる盛り上がりとは違う部分があるのではないでしょうか。
誰とでも盛り上がれる人は、特定の誰かの記憶に残りにくいことがある
既婚者合コンには、初対面の人ともすぐに打ち解けられる人がいます。
話題が豊富で、相手の話に合わせるのが上手。少し沈黙が生まれても慌てず、気まずくなりそうな空気を自然に変えることができます。男性にも女性にも感じが良く、どの席に座ってもそれなりに会話を盛り上げられる。こういう人は、イベントの中では非常に重宝される存在です。
ところが、誰とでも楽しく話せることが、必ずしも特定の相手との関係につながるとは限りません。
例えば、ある男性が参加したイベントで、女性Aさんとも盛り上がり、女性Bさんとも盛り上がり、女性Cさんとも盛り上がったとします。どの女性にも笑顔で接し、会話を途切れさせず、連絡先の交換も自然に行いました。
その男性は、帰宅後に「今日は楽しかったな」と思うかもしれません。しかし、女性側も同じように感じているとは限りません。
Aさんからすれば、話しやすくて楽しい男性だった。でも、ほかの女性にも同じように接している様子を見て、特別な印象は残らなかった。
Bさんからすれば、会話は面白かったけれど、誰にでも感じが良い人という印象で終わった。
Cさんからすれば、楽しい時間ではあったものの、もう一度会って話したいと思うほどの関心は生まれなかった。
もちろん、これは一つの例にすぎませんし、誰とでも話せる人が必ず印象に残らないわけでもありません。ただ、会話を盛り上げることに集中しすぎると、相手にとっては「楽しい人だった」という感想だけで終わることがあるのです。
人は、楽しかったことを覚えていても、誰と楽しかったのかを細かく覚えていない場合があります。
イベントが終わって数日後、友人に「この前の合コン、どうだった?」と聞かれたとき、「結構楽しかったよ」と答えることはできても、誰とどんな話をしたのかまでは思い出せない。そんなこともあるでしょう。
盛り上がったこと自体は、決して無駄ではありません。ただ、それだけで次につながるとは限らないということです。
笑わせてくれる人と、一緒にいて心地よい人は違う
会話を盛り上げるために、冗談を言ったり、面白い話をしたりする人もいます。
これは悪いことではありません。初対面の緊張をほぐすためには、ユーモアがとても役立ちます。場を明るくしてくれる人がいると、ほかの参加者も話しやすくなります。
ただし、笑いを取ることが中心になりすぎると、相手が少し疲れてしまうこともあります。
例えば、女性が仕事の話をしているときに、男性がすかさず面白い返しをする。女性が笑うと、さらに冗談を重ねる。話題が変わっても、何か面白いことを言おうとする。本人としては、相手を楽しませようと一生懸命なのかもしれません。
実際、その場では女性もよく笑っています。周囲から見れば、会話が弾んでいるように見えるでしょう。
ところが、女性が帰宅してから思い返したとき、少し違う感想になることがあります。
「面白い人だったけど、ずっと笑っていたから疲れたな」
「楽しかったけど、こちらの話をじっくり聞いてくれた感じはしなかった」
「悪い人ではないけれど、二人で会ったらどんな感じなんだろう」
こうした印象です。
その場で笑っていたからといって、相手がずっと同じテンションを求めているとは限りません。楽しい会話を好む人もいれば、落ち着いた会話を好む人もいます。
そして、また会いたいと思う相手に対しては、必ずしも「面白かった」という感想だけが残るわけではありません。
「自分の話をちゃんと聞いてくれた」
「無理に話さなくても気まずくならなかった」
「自然体でいられた」
「こちらのペースに合わせてくれた」
こうした感覚も、次につながる大きな要素です。
人を笑わせるのは技術ですが、一緒にいて心地よいと感じてもらうためには、相手の様子を見ながら距離を調整することも必要です。
既婚者合コンのように短い時間で相手を知ろうとする場では、盛り上げることに意識が向きがちです。しかし、会話のテンションを上げることだけが、良い印象を残す方法ではないのです。
自分では盛り上がったと思っていても、相手は気を遣っていただけかもしれない
少し身も蓋もない話になりますが、ここも見落とせないところです。
会話中に相手がよく笑ってくれた。質問にも答えてくれた。こちらが話すと楽しそうに聞いてくれた。だから、相手も自分との会話を楽しんでくれたのだろう。
そう考えるのは自然なことです。
ただ、初対面の場では、相手に失礼のないように振る舞う人も多くいます。特に、イベントの最中に露骨に不機嫌な態度を取る人は少数でしょう。
あまり興味がない相手であっても、会話を途切れさせないように質問する。話が面白くなくても、笑顔で相づちを打つ。席が一緒になった以上、一定の時間は楽しく過ごそうとする。
そうした振る舞いができる人は、社会人としてのコミュニケーション能力が高いともいえます。
しかし、会話を円滑に進めるための気遣いを、個人的な好意と受け取ってしまうと、帰宅後に温度差を感じることになります。
例えば、男性が「今日は本当に話が弾みましたね。また会いたいです」とLINEを送ったとします。女性は「こちらこそ、楽しかったです」と返します。
男性としては、良い感触だったと受け取るかもしれません。
ところが、その後に「今度、ゆっくりお話ししませんか?」と誘っても、具体的な日程の話には進まない。相手から話題を振ってくることもない。何度かやり取りをしているうちに、自然と連絡が途切れてしまう。
このとき、男性は「イベントではあんなに盛り上がったのに」と不思議に思うでしょう。
ただ、女性側からすれば、あくまでその場を楽しく過ごしただけだった可能性もあります。
もちろん、返信が遅い、短いという理由だけで、相手に興味がないと決めつけることはできません。家庭の事情や仕事の忙しさなど、さまざまな理由が考えられます。
大切なのは、イベント中の反応だけで相手の気持ちを判断しないことです。会話が盛り上がったという事実と、その後も関係を続けたいという意思は、分けて考えたほうがよいでしょう。
共通点が多すぎる相手なのに、なぜか次につながらない
趣味が同じ。好きな食べ物も似ている。住んでいる地域も近い。仕事や家庭に関する考え方にも共通点がある。
ここまで一致すると、「この人とは相性が良いのではないか」と感じることがあります。
実際、共通点は会話を盛り上げるうえで大きな役割を果たします。初対面でも話題に困りにくく、互いの経験を共有できるため、親近感も生まれやすいでしょう。
しかし、共通点が多いからといって、必ずしも関係が深まるわけではありません。
例えば、二人とも旅行好きで、過去に訪れた場所や行ってみたい国について話が盛り上がったとします。好きな食べ物も似ていて、お気に入りの店まで同じだった。会話中には「今度、そのお店に行ってみたいですね」という話も出た。
ところが、イベントが終わると、それ以上のやり取りはありません。
なぜでしょうか。
一つ考えられるのは、共通点が会話の材料にはなっても、相手への関心そのものには直結しなかったということです。
旅行が好きな人同士なら、旅行の話は盛り上がります。しかし、相手がどんな価値観を持ち、何を大切にしている人なのかまで理解できたかといえば、必ずしもそうではありません。
同じ趣味を持っていることと、その人自身に興味を持つことは別です。
むしろ、共通点を探すことばかりに集中すると、会話が「自分もそうです」「私も好きです」の繰り返しになってしまうことがあります。
話題は途切れないのに、相手の人柄はよく分からない。そんな状態です。
共通点は、相手を知るための入口としては便利です。ただ、その入口から先に進まなければ、会話が盛り上がったという印象だけで終わってしまうこともあるのでしょう。
相手の話を聞いているようで、実は自分の話ばかりしている人
会話が盛り上がる人の中には、話題を広げるのがとても上手な人がいます。
相手が旅行の話をすれば、自分の旅行経験を話す。仕事の話が出れば、自分の職場でのエピソードを披露する。食べ物の話になれば、おすすめの店を次々に紹介する。
話題が豊富で、経験談も面白い。本人としては、相手の話に関連したことを話しているつもりでしょうし、実際に会話が弾んでいる場合もあります。
しかし、よく見ると、相手の話をきっかけに自分の話へ移っているだけということもあります。
女性が「最近、旅行に行ったんです」と話したとき、本来なら「どこに行かれたんですか?」「どうでした?」と相手の経験を掘り下げることもできます。
ところが、すぐに「僕もこの前、旅行に行ってね」と自分の話を始めてしまう。その話が面白ければ、会話自体は盛り上がるでしょう。
ただ、女性が自分の話を十分にできたかといえば、少し違うかもしれません。
会話が終わったあとに「楽しい人だった」と思われることはあっても、「私のことを知ろうとしてくれた人だった」という印象は残りにくくなります。
これは男性に限った話ではありません。女性でも、自分の経験や考えを話すことが中心になり、相手の話を深く聞かない人はいます。
もちろん、自分の話をすること自体が悪いわけではありません。会話はキャッチボールですから、自分の経験を話すことで相手も話しやすくなることがあります。
問題は、そのキャッチボールがいつの間にか一人で投げ続ける形になってしまうことです。
相手が笑っている。相づちも打ってくれる。だから会話はうまくいっていると思っていても、相手は聞き役に回っていただけかもしれません。
また会いたいと思ってもらうためには、面白い話をたくさん持っていることだけでなく、相手が話したことを覚えていたり、もう一歩踏み込んで質問したりする姿勢も大切なのではないでしょうか。
LINEを交換したのに、なぜか連絡が続かない
既婚者合コンでは、イベント中に連絡先を交換することがあります。
会話が盛り上がり、「またお話ししたいですね」という流れでLINEを交換する。お互いに笑顔で別れ、帰り際にも軽く挨拶を交わす。ここまで来ると、次につながる可能性があるように感じられます。
ただ、LINE交換にはさまざまな意味があります。
本当にもう一度会いたいと思って交換する人もいれば、その場の流れで交換する人もいます。連絡先を断ることに抵抗がある人や、今後どこかで会う可能性を考えて交換しておく人もいるでしょう。
つまり、LINEを交換したという事実だけでは、相手がどの程度の関心を持っているのかは分かりません。
ここで気になるのが、イベント中にはあれだけ話が弾んだのに、LINEになると急に会話が続かなくなるケースです。
イベント中なら、目の前に相手がいます。周囲の雰囲気もあり、次々に話題が生まれます。相手の表情を見ながら会話を調整することもできます。
一方、LINEは違います。画面の向こうにいる相手が何をしているのか分かりませんし、会話を続けるためには、わざわざメッセージを送る必要があります。
イベント中は自然に話せた二人でも、日常に戻ると共通の話題が見つからないことがあります。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ、楽しかったです」
ここまでは順調です。
しかし、その先が続きません。何か話題を振ってみても、返事は来るものの、会話が広がらない。相手から質問が返ってくることもなく、いつの間にかやり取りが止まってしまう。
これは、イベント中の会話が嘘だったということではありません。その場では本当に楽しかったのでしょう。ただ、その楽しさを日常のやり取りに持ち込むほどの関心は生まれなかった、という可能性があります。
反対に、イベント中はそれほど盛り上がったわけではないのに、後日LINEをしてみると意外に話が続く相手もいます。
こう考えると、イベント中の盛り上がりだけで、その後の関係を予測するのは難しいものです。
「また会いたい」と思う相手には、何が残っているのか
ここまで、会話が盛り上がっても次につながらない理由をいくつか挙げてきました。
では、反対に、もう一度会いたいと思う相手には、どのような特徴があるのでしょうか。
必ずしも、話が抜群に面白い人とは限りません。会話の中心にいて、周囲を笑わせている人とも限りません。
例えば、こちらが何気なく話したことを覚えていて、次に会ったときに「あの話、その後どうなりました?」と聞いてくれる人。
話が盛り上がっているときも、こちらが話し終えるのを待ってくれる人。
意見が違っても、すぐに否定せず、「そういう考え方もありますね」と受け止めてくれる人。
そして、無理に距離を縮めようとせず、相手の反応を見ながら自然に接してくれる人。
こうした人は、その場で大きなインパクトを残さなかったとしても、後からじわじわと印象が良くなることがあります。
人間関係は、初対面の数十分だけで決まるものではありません。むしろ、短い時間では分からなかった部分に、後から魅力を感じることもあります。
もちろん、これらの特徴があれば必ず次につながるという話ではありません。相性もありますし、相手の置かれた状況によっても変わります。
ただ、会話を盛り上げることだけに力を入れるよりも、相手が安心して話せる空気をつくり、きちんと相手を知ろうとすること。そのほうが、結果的に良い印象につながる場合もあるのではないでしょうか。
既婚者合コンは、盛り上がった人が勝ちというゲームではない
既婚者合コンに参加すると、どうしてもイベント中の出来事が気になります。
誰と一番盛り上がったのか。誰がたくさん連絡先を交換していたのか。どの席が一番楽しそうだったのか。
周囲の様子を見ていると、盛り上がった人ほど良い結果を得ているように感じることもあるでしょう。
しかし、イベントの最中に目立っていた人が、必ずしもその後も関係を築いているとは限りません。
一方で、イベント中はそれほど目立たなかった人が、別の日に再会した相手と自然に親しくなることもあります。
そもそも、既婚者サークルに参加する理由は人それぞれです。新しい友人をつくりたい人もいれば、普段とは違う会話を楽しみたい人もいます。日常生活では出会わない人と話すこと自体に価値を感じている人もいるでしょう。
そのため、連絡先を交換した人数や、イベント中にどれだけ盛り上がったかだけで、その日の出会いを評価する必要はありません。
楽しく話せたのなら、それだけでも十分に意味があります。その後に連絡が続かなかったとしても、必ずしも失敗だったわけではありません。
ただ、もし毎回のように「今日は盛り上がったのに、なぜか次につながらない」と感じているのであれば、少しだけ振り返ってみてもよいかもしれません。
自分は相手の話をどれくらい聞いていたのか。相手の反応を見ながら会話ができていたのか。それとも、場を盛り上げることに一生懸命になりすぎていなかったか。
そんなところに、何かヒントがあるかもしれません。
まとめ――楽しかった人と、また会いたい人は同じとは限らない
既婚者合コンで会話が盛り上がったのに、その後まったく会わなくなる。これは決して珍しいことではありません。
共通の話題があって楽しかった。相手が面白くて笑った。その場の雰囲気が良かった。こうした理由で会話が盛り上がることはあります。
しかし、もう一度会いたいと思うかどうかは、また別の問題です。
一緒にいて疲れなかったか。自分の話を聞いてくれたか。相手の人柄に興味を持てたか。日常に戻ってからも、ふと思い出すような何かがあったか。
そうした要素が重なって、次の接点が生まれることもあるのでしょう。
反対に、イベント中にあまり盛り上がらなかったからといって、必ずしも相性が悪いとは限りません。緊張していたのかもしれませんし、たまたま話題が合わなかっただけかもしれません。
初対面の数十分で、人と人との相性を完全に判断することはできません。
そして、誰かと連絡が続かなかったからといって、自分に魅力がなかったと考える必要もありません。相手の求めているものと違っただけかもしれませんし、単純にタイミングが合わなかっただけかもしれません。
大切なのは、盛り上がったかどうかだけを気にするのではなく、その時間をお互いに心地よく過ごせたかどうかではないでしょうか。
笑い声が絶えない席もあれば、落ち着いた会話が続く席もある。どちらが正解というわけでもありません。
その場では大して印象に残らなかった相手と、次に会ったときに思いがけず話が弾むこともあります。反対に、初対面で最高に盛り上がった相手とは、それきりになることもあります。
人間関係というのは、なかなか思い通りにはいかないものです。だからこそ、面白いのかもしれません。

